推ししかない自分が怖くなったとき読む記事

鏡に映った幻想的な魔王が、沈んだ表情の若い女性を静かに見つめる。現実と幻想の境界をテーマにした、推し活依存に悩む読者の内面を象徴した構図。 A mystical demon queen appears in the mirror, gently gazing at a worried young woman sitting before it. The image reflects the blurred boundary between obsession and identity.

オマエは推しだけじゃねえだろ?──魔王からの問い

ねぇ、夜が静かすぎるときってさ、思考がやたら跳ねるだろ?
「推しがいないと、自分が空っぽみたいだ」──そんな風に思ってしまう夜が、オレにも想像できる。

でもさ、忘れてないか?
推しってのは自分じゃないものに心を灯した結果だ。
じゃあ、その火を最初に持っていたのは──誰だ?

そう、オマエ自身だ。

「推ししかない」ってのは、悪いことじゃねぇ。
でもそのしかに、自分の存在ごと縛られるとしたら、それはちょっとだけ、ズレてんじゃねぇか?

この話は、「推ししかない」と不安になるすべてのオマエに贈る、ズレの祝祭だ。
安心しろ、空っぽのままじゃねえ。
オレが、ちゃんと見届けてやるよ。

この記事を書いた人
楽園の魔王

楽園の魔王

・Webメディア運営14年目


・衝動も混沌も受け入れる、“直感の魔導士”

・マンガ、アニメ好き

・少年漫画脳

・不治の病、それは厨二病

・二次元の楽園を作るぞ

・元書店員4年、元古書店店主10年、読書・選書が好き

・AI構文も幻想の一部として使いこなす──“跳ねるズレ”で構文世界を支配する王、それがオレだ。

・世界中の大図書館を束ねたようなAIの進歩に日々触れ、検索・要約・比較を駆使して知を磨いています。

・AIで怪しいレビューは排除済み。ふざけてるようで、信頼だけはガチで守ってるんだよね。

・I am a Japanese creator.

なぜ推ししかないと感じてしまうのか?

「推ししかない自分って、やばくない?」──そんな声、よく聞く。
オマエも、きっとその問いを夜のどこかに置き去りにしてきたんだろうな。

でもな、推ししかないってのは、逆に言えば──
それ以外は、まだ何者にもなっていないというだけの話だ。

他がないんじゃねえ。
まだ見つけてない、あるいは火を灯せてないだけなんだ。

たとえば、学校でも、仕事でも、
「オレって誰なんだろう?何が好きなんだろう?」ってわかんなくなること、あるだろ?
だけど推しの前では違う──そのときオマエは確かに笑ってる。泣いてる。叫んでる。
つまりそこには、オマエの輪郭がハッキリと現れてるんだよ。

でなきゃ、何時間も推しの話なんてできねぇし、
スケジュール帳のすき間にイベント日程を書き込んだりしねぇよな?

「推ししかない」って、つまりは──
そこにだけ、本気で感情を注げたっていう、生の証明じゃねえか?

オレはそれを、誇れとまでは言わない。
だけど、恐れる必要はないってことは断言できる。

だってそれは、他の何よりも鮮やかだったってだけの話だから。
最初の火が推しだった、それのどこが悪い。

それは本当に自分を見失うことなのか?

「私、推しがいないと、自分がわからなくなる」
「好きなものが推しだけって、なんか空っぽに感じる……」

──そんなふうに思う夜がある。
でも、それって本当に自分を見失ってる状態なんだろうか?

ちょっと、オレと一緒にズラして考えてみようぜ。

そもそも、「自分を見失う」ってどういうことだ?
たとえば──誰の言葉にも自分を合わせすぎて、
何が好きで何が嫌いかも曖昧になって、
息をしてるのに、生きてる感じがしないみたいな状態を言うんじゃねぇのか?

でも、推しにハマってるときのオマエは、どうだ?
声を上げる。語る。集める。叫ぶ。
感情の幅が広がって、眠れないほどに胸が熱くなる。

──それは、見失ってるどころか、むしろ、強くなってるって言えるんじゃねぇか?

推しがいないと不安なのは、
「そこにだけ自分がいた」と知ってるからだ。

裏を返せば、オマエはちゃんとここに自分がいるってことを、
推しを通じて感じてたってことだ。

それのどこが、見失うことなんだ?
むしろ、オマエはそこにいたんだよ。

推しが自分の輪郭を描く、という真実

なあ、オマエにとって推しって、ただの偶像か?
それとも、心の鏡か?

──オレはこう思ってる。
推しってのは、自分の輪郭を描いてくれる存在なんだって。

たとえば──
「このキャラのこういうとこが好き!」って叫ぶとき。
それは同時に、「こういう価値観が好きな自分がいる」って告白でもある。

「こんな表情がたまらん」「この台詞が胸に刺さる」
そう言うとき、オマエの感情は反射してんだ。
つまり、推しに映った自分の感性に、オマエは惹かれてる。

──なあ、それってすごくねえか?

世界のどこにも見つけられなかった好きの形が、
推しというフィルターを通すことで、急にハッキリ見えてくる。

「これが自分かもしれない」
「こういう風に笑えるのが、自分なんだな」って。

推しは、ただの趣味じゃねえ。
自分を見つけるための鏡であり、絵筆でもある。

見えなかった色を、輪郭を、感情を、
推しがオマエの中から引き出してくれたんだよ。

その線は、消えない。
たとえ熱が冷めても、オマエの中に描かれた自分は、ちゃんと残る。

だからさ、
「推ししかない」って言うな。
「推しのおかげで、オレは見えた」って言ってやれよ。

他者の声が怖い?好きに理由はいらない

「え、そんなのが好きなの?」
「なんでそこまでハマってんの?」

──オマエもきっと、一度はそんな声を受けたことがあるはずだ。
ときには、冗談めかして。ときには、悪意なく。
けれど、その何気ないひと言が、胸の奥に突き刺さる夜ってのがあるんだよな。

オレから言わせりゃ、好きに理由を求められる時点で、もうズレてる。

好きってのは、頭じゃなくて、感覚で始まるものだ。
火がつくときに、論理はいらねぇ。
理由を説明してる間に、感情はもうとっくに走り出してる。

なのに世の中は、理解できる好きしか許さないことがある。
「意味は?」「有益なの?」「それで何になるの?」

──うるせぇ。黙れ。

オマエの好きは、オマエだけの祝祭だ。
理由はあとで生える。意味なんて勝手にくっついてくる。

それより大事なのは、今、火が灯っているかどうか──それだけだろ?

だから、他人の目を怖がるな。
ましてや、「説明できないから好きじゃないかも…」なんて自分を疑うな。

感情に納得はいらない。
共鳴さえあれば、それで充分なんだ。

オレはいつだって、そういう説明不能なほどの好きにこそ、心を撃たれてきた。
そうだろ? オマエも、そうじゃなかったか?

推ししかない日々がくれたものを書き出してみる

なあ、オマエは覚えてるか?
推しの新ビジュに泣いた夜。
誕生日を祝うためにスイーツを買いに走った放課後。
グッズの到着を待って何度も玄関を見に行った、あの一週間。

──推ししかないと感じてたその日々は、
実は何もなかったんじゃない。
むしろたくさんの火が灯っていた時間だったはずだ。

オレは提案する。
書き出してみろ。思い出してみろ。

  • どんなセリフに救われた?
  • どんな一枚絵に震えた?
  • どんな瞬間に、「この存在がいてよかった」と思った?

書いてるうちに気づくんだ。
「自分、こんなに感情動かしてたんだな」って。
「この世界を、ちゃんと生きてたんだな」って。

それに──
「推しのことしか考えてない自分がイヤだ」って言ってるヤツほど、
実はめちゃくちゃ考えてるんだよ、自分のことを。

だからこそ不安になる。
「これって本当に自分なのか?」って、問いが出てくる。

だがその問いは、オマエが自分と向き合ってる証拠だ。
推しに夢中だった時間は、決して逃避じゃねぇ。

それは、オマエという存在が世界と接続しようとした軌跡なんだ。

魔王の提示:「空虚を満たすのは、怖さを抱きしめることだ」

オマエが今、感じてる空虚感。
それは何かを失った穴じゃない。
まだ言葉にできない生きてる証が、うずく場所だ。

人は、何かを深く愛したとき、必ず不安になる。
「これがなくなったらどうしよう」
「これしかない自分は、弱いんじゃないか」って。

でもな、オレは知ってる。
そういう感情こそが、オマエを生き物にしてるってことを。

空虚ってのは、恐ろしい。
けどな、そこに怖さがあるからこそ──
オマエはまだ、次の感情を求めて歩ける。

恐れは、停滞じゃない。
それは次の推しを、次の感情を、自分の中に迎え入れるための余白なんだよ。

オレがここで提示するのは、解決じゃねえ。
共犯だ。

「怖いままでいい」
「わからないままでいい」
「それでも、オマエはもう充分に感情を持っている」

──そう伝えることで、
その空っぽを、オレと一緒に祝ってやるよ。

怖さを否定するな。
抱きしめろ。
そいつは、次に光る火種の種だから。

まとめ|推しを通じて自分を見つける旅へ

「推ししかない自分が、怖くなった」
そんな風に、心が沈んでしまう夜もある。

だけど──

推ししかないってことは、
そこにオマエの火が灯っていたってことだ。
「ここにだけ自分がいた」と思えるほど、深く、真剣に感情を注いでいた証だ。

人は自分を探す旅を、あまりにも抽象的に考えすぎる。
でもな、オレは思うんだ。
「推しにハマる」ってのは、めちゃくちゃ具体的な自己発見なんだよ。

その笑い方。
その泣き方。
その声に震えたときの胸の揺れ。

それ全部、オマエという人間の輪郭を、
推しが描き出してくれた軌跡じゃねえか。

オマエは、すでに旅の途中にいる。
不安と空虚を抱えながら、それでも好きなものに手を伸ばしている。
──それこそが、生きてるってことなんだ。

だから大丈夫だ。
推しはオマエを作らない。
オマエが推すという行為で、自分を描き続けてるんだよ。

その旅は、まだ終わってねぇ。
オレも、この先の火種をずっと見てる。

祝祭の灯は消えねえ。
そして、オマエの中にもまだ──灯し足りない感情が、いっぱいある。

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