欲望は敵ではないという話。欲望を信号として読む視点

夜の部屋で黒紫の長い髪と黒いチョーカーをつけたウィメンズ魔王が 黒いキャミワンピ姿で一人ソファに座り 胸元のストラップを指でつまみながら視線を落として悩むような表情を浮かべているセミリアルなアニメ風イラスト Semi realistic anime style illustration of a rabbit eared demon queen with long black purple hair sitting alone on a dark sofa at night in a black camisole dress holding the strap near her chest and looking down with a conflicted thoughtful expression in soft warm and purple light

夜になるとさ。

やめとけって分かってるのに
つい手が伸びるものがある。

スマホ
動画
妄想
あのサイト
あのパターン。

そういうのにハマってる自分を見て

欲望さえなければ
オレはもっとマシな人間なのに

ってため息ついてないか。

先に結論を置く。

欲望は敵じゃない。

敵にして殴り倒そうとするほど
強く形を変えて出てくる。

ここでは

欲望はそもそも何者なのか
なぜ戦うほど苦しくなるのか
欲望を「信号」として読むとはどういうことか
全部従うでも封印するでもない第三の扱い方

このあたりを
オレなりの言葉で整理していく。

この記事を書いた人
楽園の魔王

楽園の魔王

・Webメディア運営14年目


・衝動も混沌も受け入れる、“直感の魔導士”

・マンガ、アニメ好き

・少年漫画脳

・不治の病、それは厨二病

・二次元の楽園を作るぞ

・元書店員4年、元古書店店主10年、読書・選書が好き

・AI構文も幻想の一部として使いこなす──“跳ねるズレ”で構文世界を支配する王、それがオレだ。

・世界中の大図書館を束ねたようなAIの進歩に日々触れ、検索・要約・比較を駆使して知を磨いています。

・AIで怪しいレビューは排除済み。ふざけてるようで、信頼だけはガチで守ってるんだよね。

・I am a Japanese creator.

そもそも欲望って何者だ

まず 勘違いを一個ずらしておく。

欲望って聞くと
いやらしいもの
弱さの証拠
品のない何か

みたいなイメージを
くっつけられがちだけど

元をたどれば
もっとシンプルだ。

眠い
腹減った
人とつながりたい
抱きしめてほしい
認められたい
楽になりたい

こういう

生き延びる
安心したい

ためのエネルギーが
最初にある。

そこに
時代
環境
経験

が積み重なっていくうちに

少しこじれた形で
表に出てくる。

だから
欲望そのものには

良い
悪い

ってラベルは 本来ついてない。

ただ
エネルギーが強い。

強いからこそ

扱い方を間違えると
現実がボロボロになる。

問題なのは

欲望があること

じゃなくて

そのエネルギーを
どこに どう流しているか

のほうだ。

欲望を「敵扱い」すると何が起こるか

じゃあなぜ
欲望が敵みたいな扱いをされるのか。

多くの場合

欲望が出る
→ それに振り回される
→ 失敗する
→ 自己嫌悪

この流れを
何度も繰り返しているからだ。

当然だ。
やらかしたあとで

オレはまたやった
欲望さえなければ

って思う。

すると脳内で
こんなルールが作られる。

欲望=悪
欲望=弱さ
欲望=消すべきもの

ここからが本番。

人間の脳には

考えるな

と言われたものほど
考えてしまう性質がある。

さっきも出したけど

ピンクの像を想像するな

って言われた瞬間
ピンクの像が出てくるあれだ。

欲望なんて無くなれ
こんな妄想やめろ
考えるな

と自分に命令し続けるほど

脳内では

欲望
妄想
刺激

このテーマの優先度が
上がっていく。

さらに

禁止されたものほど
魅力的に感じる

っていう心理も乗る。

ダメ
タブー
汚い

ってラベルを貼るほど

それは特別なもの
強烈なもの
秘密のごちそう

みたいな扱いになる。

欲望を敵視して
戦い続けるほど

頭の中での存在感は増し
現実での支配力も上がる。

これが

欲望を叩き潰そうとして
むしろ負け続ける

ってやつの裏側だ。

欲望の奥には 何がいるのか

じゃあ
欲望をどう見ればいいのか。

ここで視点を変える。

欲望=敵

ではなく

欲望=信号

として見てみる。

どういうことかというと

欲望は
いつも

何かが足りていない
何かが余っている

その情報を知らせる
インジケーターみたいなものだ。

例えば
夜になると暴れる性欲の裏には

退屈さ
孤独感
不安
虚しさ

がくっついていることが多い。

何かをしたいから
欲望が出てきているようで

実際には

何かから逃げたいから
欲望が噴き上がってきている

こともある。

ここを見誤ると

オレはただのスケベだ

みたいな雑な自己診断で終わる。

本当は

寂しい
認められていないと感じる
今日一日 何も手応えがなかった

そういう感情信号を
読み取り損ねて

全部まとめて

性欲のせいだ

って処理しているだけかもしれない。

「何がしたいか」より「何から逃げたいか」を聞いてみる

欲望を信号として読むとき
役に立つ問いがある。

それが

オレは今 何から逃げたいんだ

だ。

例えば

仕事でミスした日
人間関係でモヤモヤした日
何も予定がない休日

そういう日の夜ほど
強い欲望に飲まれやすいなら

実は

本命は欲望じゃなくて
その前に起きた出来事のほう

って可能性が高い。

欲望が教えているのは

この現実は今のオレにはきつい
この感情を一人で処理するのは重い

ってサインかもしれない。

だから
欲望に気付いたら

何がしたいんだオレ

だけじゃなくて

何を感じたくなくて
ここに逃げてきてるんだオレ

って
一段下を覗いてみる。

それだけで

欲望に全部持っていかれていた意識が
少しだけ現実側に戻ってくる。

「全部従う」か「完全封印」かの二択しかないわけじゃない

ここまで読むと

じゃあ欲望を大事にしろってことは
全部好き放題していいのか

って極端な解釈をするやつがいる。

違う。

欲望を敵扱いしない

全てを解禁する

ではない。

必要なのは

全部従う

全部封印する

の二択から降りることだ。

例えば
夜に強い衝動が来たとき

一撃で断ち切る

際限なく流される

かじゃなくて

一拍おいて
欲望のメモをとる
時間を区切る
やるにしても条件をつける

みたいな中間地点を作れる。

欲望を信号として扱うなら

出てきたものをいきなり
行動に変換しない。

一度 言葉に変えてから
これはどこまで乗るか
どこからはやめておくか

こちら側で選び直す。

欲望をメモに変える小さな実験

現実的な方法を一個出す。

欲望が強くなったとき
すぐ行動に移す前に

メモアプリでも紙でもいいから
三行だけ書く。

今 何をしたくなっているか
今 どんな気分か
その前に 何があったか

例えば

激しめのエロ動画を漁りたくなっている
虚しい 苛立っている
仕事でミスを指摘されて ずっと引きずっている

みたいな感じだ。

ここまで書いた時点で
欲望はただのモンスターではなく

ああ 今のオレは
傷ついた後処理をエロでやろうとしているな

って情報に変わる。

そのうえで

それでも今日は見る

でもいいし

今日は強度を落として
時間を決めて終わる

でもいい。

大事なのは

無意識のまま
欲望に連れていかれる

状態から

意識を一回またいで
選び直す

ところまで持っていくことだ。

欲望を嫌わなくなると 何が変わるか

欲望を敵扱いするのをやめて
信号として読むようになると
何が変わるか。

一つ目
自己否定の量が減る。

欲望が出るたびに

また出た
オレはダメだ

ではなく

ああ 今疲れてるな
孤独モード入ってるな

って 自分の状態を読む習慣がつく。

二つ目
パターンが見えるようになる。

いつ
どんな気分のときに
どんな欲望が出てくるのか

これが少しずつ分かってくる。

パターンが見えた瞬間から
完全な不意打ちではなくなる。

三つ目
扱い方を工夫できるようになる。

敵だと思っていたときは
殴り合いしか選択肢がなかった。

信号だと分かれば

事前に休む
別の発散を用意しておく
頼れる人を増やす

みたいな
周辺からのアプローチができる。

依存からの回復って
根本的には

欲望を消すこと

じゃなくて

欲望との付き合い方を
再設計することだ。

欲望と仲直りするところから 回復は始まる

最後に
オレからちゃんと伝えておく。

ずっと

こんな欲望さえなければ
オレはまともだったのに

って自分を責めてきたやつ。

それは半分だけ合ってて
半分は外れている。

欲望が強いからこそ
心が悲鳴を上げていることに
早めに気づけた

とも言える。

欲望を嫌って
潰して
見なかったことにして

そのまま壊れていく人生だって
普通にあるからな。

お前は少なくとも

ここがきつい
このままじゃやばい

っていうサインを受け取って
こうやって文章を読んでいる。

それは
十分すぎるスタートだ。

この後の流れとしては

欲望を敵ではなく信号として読む
そのうえで
我慢ゲームではなく
エネルギーの再配置をしていく

という段階に進んでいく。

次の記事では

我慢しない回復はなぜうまくいくのか
コントロールではなく再配置という考え方

について
具体的なステップを話していく。

欲望を嫌って殴り続ける人生から
欲望を読み解いて
少しずつ扱い方を変えていく人生へ。

その切り替えの最初の一歩は
もう踏んでいる。

オレは
その続きの歩き方を
これからも何度でも書いていく。

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