誰にも言えない
ってやつを一個以上持ってるやつは多い。
口に出した瞬間
引かれる気がする
軽蔑されそう
嫌われそう
だから
頭の中だけでぐるぐる回しながら
オレはおかしいんじゃないか
こんなこと考えるのは異常なんじゃないか
って 自分を疑い続ける。
先に言っておく。
誰にも言えない衝動を持っているからといって
お前が即アウトな危険人物ってわけじゃない。
問題は
その衝動の中身だけじゃなくて
それを一人きりで抱え込んで
ひたすら隠そうとする流れのほうだ。
この文章では
誰にも言えない衝動を持つ人の共通点
隠すほどその衝動が強く感じられてしまう理由
全部話すかゼロか じゃない出し方の選択肢
この三つを
オレなりの言葉でほどいていく。
目次
■ 誰にも言えない衝動って そもそも何者だ
まず 前提をそろえておこう。
ここで言う
誰にも言えない衝動
っていうのは
表向きの自分からは
とても想像できないタイプの欲求やイメージ
のことだ。
例えば
性的な好み
ありえないシチュエーションの妄想
道徳的にアウトっぽく感じるイメージ
こういうものを
頭の中にだけ持っていて
口に出した瞬間
全部終わる気がする
と感じているパターン。
大事なのは
それが
現実に誰かを傷つける行動として
すでに走っているかどうか
と
頭の中の世界で
そういうイメージや衝動がある
っていうことを
ごっちゃにしないことだ。
衝動やイメージを持っている
ってことと
その通りに行動する
は別のレイヤーだ。
ここを区別できていないと
心の中で
考えた時点でオレは終わっている
みたいな極端な判決を
自分に出し続けてしまう。
■ 誰にも言えない衝動を持つ人の共通点
オレが見てきた限り
こういう衝動を抱え込んでいるやつには
似た特徴がある。
一つ目
感情に敏感で 想像力が強い。
普通の人ならスルーする場面でも
もしこうなったら
こう感じるだろうな
みたいなことを
すぐにイメージしてしまう。
その想像力が
日常では役に立つときもあるし
性の領域では
普通より深い妄想や衝動も生みやすい。
二つ目
本当は人に傷ついてほしくない 優しさを持っている。
だからこそ
こんなこと考えるオレは
人を傷つける側の人間なんじゃないか
と感じた瞬間
激しく自分を責める。
もし本当にどうでもいいやつなら
そこまで悩まない。
三つ目
自分の内面をよく観察しているが 故に自分を責めやすい。
普通の人なら
なんとなく
で流してしまう違和感も
いちいち拾ってしまう。
自分の中の黒さも
弱さも
直視してしまう。
目がいい分だけ
自分に厳しくなりやすい。
つまり
誰にも言えない衝動を持つ人は
むしろ
感受性が高く
想像力があって
他人を傷つけたくない
っていう要素を
セットで持っていることが多い。
それを
全部ひっくるめて
オレは異常だ
ってまとめるのは
かなり乱暴な話だ。
■ 隠すほど衝動が強くなる理由
ここが今回の核心の一つだ。
人間の脳には
考えるな
と言われたものほど
考えてしまう
っていう性質がある。
ピンクの像を想像するな
って言われた瞬間
ピンクの像が出てくるあれだ。
誰にも言えない
こんなこと考えちゃダメだ
忘れろ
と自分に命令すればするほど
脳内ではそのテーマが
優先度高く扱われる。
さらに
禁止されたものほど 魅力が増す
っていう心理も乗る。
ダメ
タブー
ありえない
というラベルが貼られた瞬間
そのテーマは
普通の興味から
特別な興奮へと格上げされる。
隠す
禁止する
この二つを続けるほど
衝動そのものの強さ
というより
衝動の存在感
のほうが
やたらと増していく。
結果として
実際にその衝動に従っている時間より
頭の中でそのことで悩んでいる時間のほうが
圧倒的に長くなったりする。
これが
隠すほど深刻化する
ってやつの正体の一つだ。
■ 秘密は 一人で抱えるほど重くなる
もう一つ
隠すことで起きることがある。
それは
オレだけが
この秘密を抱えている
っていう感覚が
どんどん強くなっていくことだ。
他人の頭の中は見えない。
だから
自分だけがズレている
自分だけがおかしい
って物語を
簡単に信じられてしまう。
しかもこの秘密は
誰にも見せてないから
他人から修正される機会もない。
普通にいるよそういう人
って言ってもらうチャンスすらない。
だから
自分の想像だけで話が膨らんでいく。
きっと話したら嫌われる
絶対に軽蔑される
この衝動を知られた瞬間 俺の人生終わり
みたいなストーリーが
頭の中で完成する。
でもそれ
現実に検証されてない。
ほとんどが妄想だ。
妄想だからノーダメージ
って話じゃないぞ。
太ったと思い込んだ瞬間から
鏡に映る自分が全部太って見えるのと同じで
自分はおかしいと思い込み続ければ
世界も自分も
全部そのフィルター越しになる。
その苦しさから逃げるために
刺激に頼る
妄想の世界に沈む
これは
自然な流れだ。
だからこそ
秘密は
全部ぶちまけろ
とは言わないが
全部一人で抱えるほど
心を削る
ってことは
覚えておいてほしい。
■ 自分はおかしいのか という問いの扱い方
誰にも言えない衝動を持っているやつが
ほぼ必ず一度は通るのがこれ。
オレはおかしいのか
この衝動は異常なのか
この問いに
いきなり
正常か異常か
の二択で答えようとすると
だいたい地獄になる。
ここでもう一回
レイヤーを分ける。
一つ目は
頭の中に浮かぶイメージや妄想
二つ目は
実際に現実世界でとった行動
三つ目は
それによって 誰かが具体的に傷ついたかどうか
この三つだ。
心の中で
誰かを傷つけるイメージが浮かんだ
過激なシチュエーションの妄想をしてしまった
という段階と
現実に
法律や他人の安全を踏み越えた
という段階は
決定的に違う。
もちろん
自分で
これは現実にやりたくない
って分かっているからこそ
距離をとっておきたい妄想もある。
その場合でも
考えた時点でアウト
と自分に判決を下す必要はない。
むしろ
ここまで過激な妄想が出てくるほど
オレの中に
満たされていない欲求や怒りや不安がある
っていうサインかもしれない。
だから
問いを少し変えてみる。
オレはおかしいのか
じゃなくて
この衝動やイメージの奥に
どんな感情や欲求が隠れているのか
こっちを探ったほうが
ずっと意味がある。
■ 隠すか全部話すか の二択しかないわけじゃない
ここまで読んで
じゃあ誰かに全部話せってことか
と身構えたなら
一回肩の力を抜け。
世界には
フルオープンと完全沈黙
の二択しかないわけじゃない。
もっとグラデーションがある。
例えば
匿名の場で
少しだけ輪郭を言語化してみる
これは一つの方法だ。
具体的な詳細を全部書くんじゃなくて
誰にも言えない性の衝動があって
自分がおかしいのではと感じている
このレベルだけでもいい。
それを
相談窓口や カウンセラーや
安全なコミュニティに投げてみる。
あるいは
信頼できる相手に
本体の一部だけを話す
「実は性のことで長年悩んでいる」
くらいの入口だけでもいい。
深い中身は
今はまだ話せない
でも
悩んでいること自体はシェアする
この中間地点があっていい。
秘密を少し外に出した瞬間
それはもう
完璧に一人だけの荷物
じゃなくなる。
誰かが知っているという事実が
心の中の圧力を少し下げる。
それだけで
衝動の「重さ」は弱くなることがある。
■ 誰にも言えない衝動を抱えたまま生きてきたお前へ
ここまで読んで
図星だらけだったやつに
オレから一個 ちゃんと伝えておく。
その衝動や妄想は
たしかに重たいテーマかもしれない。
でも
それを一人で抱えたまま
ここまで生きてきたってことは
お前はずっと
誰も傷つけたくない
壊したくない
でもどうしていいか分からない
って葛藤を
自分一人で引き受けてきた
ってことだ。
それは
弱さじゃなくて
ある種の責任感でもある。
本当は
どこかで誰かに預けたかった言葉を
預ける場所が見つからなくて
全部背中に背負い続けた結果
今 きつくなっている。
だから
オレは危険物だ
で話を終わらせないでほしい。
ここから先は
どこまで話すか
誰に預けるか
を少しずつ選び直していくフェーズだ。
全部をいきなり見せなくていい。
一部だけ
輪郭だけ
感情だけ
そうやって
心の部屋に
少しずつ風を入れていく。
■ まとめ 隠すほど深くなる前に
誰にも言えない衝動を持つ人には
感受性が高い
想像力が強い
本当は人を傷つけたくない
そんな共通点がある。
隠そう 隠そうとするほど
考えるなと言ったものを考える脳
禁止されたものを魅力的に感じる心理
一人で抱え込むことで膨らむ妄想
この三つが重なって
衝動の存在感は強くなり
自分がおかしいという物語も太っていく。
けれど
持っている衝動と
実際の行動を分けて見ていいこと
全部話すか 完全に黙るか
の二択しかないわけじゃないこと
ここを知るだけでも
心の中の空気は少し変わる。
もし今
誰にも言えない衝動を抱えて
自分を責め続けているなら
恥と罪悪感が依存を強化する仕組み
性依存は意志が弱いからではない
この二つの記事も
合わせて読んでほしい。
誰にも言えないオレ
から
それでも生きてきたオレ
に視点をずらすための言葉は
ちゃんとまだ用意してある。
オレはそれを
お前が自分を異物扱いするのをやめるまで
何度でも書き足していく。




