性依存は意志が弱いからではない。やめたいのにやめられない脳と感情のしくみ

夜のオタク部屋で青く光るモニターを見つめる黒紫の長髪と兎耳を持つ青年魔王キャラクターがキーボードに手を置いている様子 Young male demon king with long black purple hair and rabbit ears typing at a keyboard, lit by dual monitors in a dim otaku room at night

性に関することをやめたいのに、気付けばまた同じことを繰り返している。
スマホを閉じたあと、ため息しか出ない。
オレなんか本当にダメだな。意志が弱すぎる。

そんなふうに自分を殴り続けているなら、まず一番最初に伝えておく。

性依存は、意志が弱いから起きるものじゃない。
脳の仕組みと、感情の扱われ方が重なった結果のパターンだ。

ここでは、医学的な診断の話ではなく
日常レベルで
やめたいのにやめられない
と感じているお前のために、脳と感情の構造を言葉にしていく。

少なくとも、読み終わるころには
全部オレのせいだ、意志が腐ってる
という自己攻撃の声は、少しだけ静かになるはずだ。

■ この記事で話すこと

この文章で扱うのは、こんなテーマだ。

・性依存と呼ばれる状態を、日常の言葉に翻訳するとどうなるか
・脳の報酬系とドーパミンが、なぜ性と相性が良すぎるのか
・感情の穴を埋めようとして、性が使われるときに何が起きるのか
・やめたいのにやめられないが、意志の問題ではない理由
・ここから少しだけ抜け出すための、現実的な第一歩

医学的な診断名を確定したり
これは病気だ、と決めつけたりするつもりはない。

ただ
お前の頭と心の中で、何が起きているのか。
それを分解して、言葉で見えるようにする。

それだけでも、ループから抜け出すための力になる。

この記事を書いた人
楽園の魔王

楽園の魔王

・Webメディア運営14年目


・衝動も混沌も受け入れる、“直感の魔導士”

・マンガ、アニメ好き

・少年漫画脳

・不治の病、それは厨二病

・二次元の楽園を作るぞ

・元書店員4年、元古書店店主10年、読書・選書が好き

・AI構文も幻想の一部として使いこなす──“跳ねるズレ”で構文世界を支配する王、それがオレだ。

・世界中の大図書館を束ねたようなAIの進歩に日々触れ、検索・要約・比較を駆使して知を磨いています。

・AIで怪しいレビューは排除済み。ふざけてるようで、信頼だけはガチで守ってるんだよね。

・I am a Japanese creator.

■ 性依存と呼ばれる状態とは何か

まず前提として
性依存という言葉には幅がある。

・単に性欲が人より強い
・性行為やコンテンツを楽しんでいるだけ
このあたりは、依存とは言えない。

ここで話したいのは、もう少し違うゾーンだ。

・やめたいと思っているのにやめられない
・やったあとに強い虚しさや自己嫌悪が残る
・仕事や人間関係に影響が出始めている
・隠しごとが増えて、バレる恐怖を抱え続けている

こうした状態が続いているなら
日常レベルでの性依存傾向と言っていい。

ポイントは、欲が強いかどうかではなく

やりたい自分と
本当はやめたい自分が
常にぶつかっているかどうか

この葛藤が、依存状態のしんどさを生み出している。

■ 脳の報酬系とドーパミンの基本

ここで一度、脳の話をしよう。
難しい専門用語は、全部オレがかみ砕く。

人の脳には
うれしい
楽しい
気持ちいい
を感じたときに働く「報酬系」というネットワークがある。

そこで活躍しているのが、ドーパミンという物質だ。

・何かを期待しているとき
・欲しかったものを手に入れたとき
・強い刺激を受けたとき

こういう瞬間に、ドーパミンが出る。

性は、このドーパミンをものすごく分かりやすく動かす。

・視覚的な刺激
・妄想や期待
・実際の快感

全部が報酬系を刺激する。
だから、脳はすぐに学習する。

あの刺激をやれば、強い快感が手に入るぞ
つらい気持ちを、一瞬だけ吹き飛ばせるぞ

そして、覚えたことを何度も再生したがる。

■ どうして性は強く記憶に焼き付くのか

ドーパミンは本来
生き延びるために必要な行動
を強化するために働いている。

食べる
眠る
人とつながる

このあたりの行動にも、報酬系は使われている。

そこに、性が加わる。

性は、人間にとって根本的な欲求の一つだ。
だから脳は、性の快感をかなり強めに記憶する。

さらに

・映像コンテンツの過激さ
・スクロールすれば、いくらでも新しい刺激が手に入る環境
・昔より簡単に、無料で、強い刺激にアクセスできる現代

こういう要素が重なると、脳は

もっと強いもの
もっと新しいもの

を求めるようになる。

刺激に慣れていくほど
前と同じものでは満足しにくくなっていく。

すると
回数や時間が増えたり
より強い刺激を探したりする方向に、自然と傾いていく。

ここまで来ても、まだ
お前の意志が弱いから
という話ではない。

脳の仕組み的に、そう動きやすいだけだ。

■ 感情の穴を埋めようとする行動としての性

脳の話だけなら
刺激を減らせばいい
で終わる。

けれど、現実のお前はそう簡単じゃない。
なぜなら、そこには「感情」が乗っているからだ。

性が使われる場面を思い出してみてほしい。

・仕事で疲れ切った夜
・誰にも本音を話せていない日
・メッセージが返ってこなくて、置いていかれた気がしたとき
・漠然とした不安や虚しさで胸が重いとき

そういうときに、ふっと手が伸びることはないか。

このとき、性は
快感のためだけに使われていない。

退屈をまぎらわせたい
寂しさから一瞬逃げたい
何も考えずに済む時間がほしい

そういった感情の穴を、一時的にふさぐために使われている。

つまり

脳の報酬系
プラス
感情の逃げ場

この二つの役割を、同時に担わされている。

だから、しがみつきやすい。

■ やめたいのにやめられないはなぜ起きるのか

頭では分かっている。

・時間も体力も削られている
・終わったあとで自分を嫌いになる
・他のことに使えたはずのエネルギーを失っている

それでも、止まらない。

ここには、いくつかの要素が重なっている。

一つ目。
行動が、ほぼ自動化されていること。

例えば、寝る前にスマホを触る。
いつものサイトを開く。
あとは流れ作業。

このセットが、習慣として脳に刻まれている。

習慣は、意志よりも強い。

二つ目。
禁止しようとすればするほど、頭の中がそれで埋まること。

やめろ
見るな
考えるな

こうやって自分に命令すると、脳は


というテーマに、さらに意識を向け続ける。

考えるな
と考えること自体が、性のイメージを強化してしまう。

三つ目。
失敗したときに、自分を過剰に責める癖。

またやってしまった
本当に最低だ
もう終わってる

この自己攻撃が強いほど
現実から目をそらしたくなる。

そしてまた、性に逃げる。

これが
やめたい
やってしまった
自分を殴る
もっと逃げたくなる

というループだ。

ここまで見ても分かる通り

脳の習慣
感情の逃げ場
自己攻撃

が絡み合っているだけで
意志そのものが欠けているわけではない。

むしろ
やめたい
と感じている時点で、お前にはちゃんと意志がある。

■ 性依存は意志の弱さではなく「構造」の問題

オレが一番伝えたいのは、ここだ。

性依存的な状態は
オレの意志が腐っているから
ではない。

脳のクセ
感情の扱われ方
過去の経験と環境

この三つが積み重なって出来上がった「構造」の問題だ。

例えば

・幼いころから感情を聞いてもらえなかった
・我慢が当たり前で、甘えることを許されなかった
・本音を出すと嫌われると感じてきた

こういう背景があると
感情を誰かに預けることに慣れていない。

その代わりに

飲酒
ゲーム
仕事

こういった行動に感情を預けてしまいやすくなる。

それは、弱さではない。
生き延びるために、必死で編み出したやり方だ。

ただ、その形のまま大人になって
今の生活や価値観と噛み合わなくなってきている。

だから苦しい。

ここで必要なのは

オレは弱い
オレは終わってる

と自分を裁くことではなく

ああ、こういう構造が出来上がってしまっているのか

と、まずは状況を理解することだ。

理解は、許しの入口になる。

■ ここから少しずつ変わっていくためにできること

いきなり今日から完全にやめる。
ゼロにする。

これは、多くの場合うまくいかない。
一回失敗しただけで、自己否定が爆発するからだ。

だから、オレはこう提案する。

少しだけ構造をずらすことから始めろ。

例えば、こんなステップだ。

一つ目。
どんなときにスイッチが入りやすいか、メモしてみる。

・時間帯
・場所
・気分
・直前にあった出来事

これを数日だけでも書き出してみる。
すると、お前の「トリガー」が見えてくる。

二つ目。
トリガーが来たときに、完全にやめるのではなく
ワンクッションだけ挟む。

・深呼吸を三回する
・立ち上がってコップ一杯の水を飲む
・メモ帳に、今の気持ちを一行だけ書く

それでも結局やってしまうことはある。
それでいい。

大事なのは、
全自動だった流れのどこかに、オレは今こう感じている
という意識の一瞬を差し込むことだ。

三つ目。
性以外で、少しだけ楽になった経験を集めておく。

・散歩した
・友だちと通話した
・推しの配信を見て笑った
・日記を書いた

どんな小さなことでもいい。
性以外のルートでも
オレは一瞬楽になれた
という記憶を増やしていく。

それはやがて
脳にとっての「別ルート」の候補になる。

■ まとめ お前は意志が弱いわけじゃない

性依存的な状態は

・脳の報酬系とドーパミンのクセ
・感情の逃げ場として性が使われること
・自己攻撃がループを強化してしまうこと

これらが重なって起きている。

やめたいのにやめられないお前は
意志が弱いのではなく

今まで、そうやって生き延びてきた

その結果として、この構造を抱えているだけだ。

ここから必要なのは

オレはダメだ
と裁くことではなく

オレの中で何が起きているのかを知ること
そして、少しずつ流れをずらすこと

この二つだ。

お前が自分を殴る力を
少しずつ、生きやすさの方へ切り替えていけるように。
オレは、そのための言葉をこれからも渡していく。

【noteも書いてます】

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